猫を室内で飼うと、女の子でも男の子でも避妊、去勢手術は受けさせた方が人間との共同生活もスムーズですよね。
自然の本能を奪い取ることに反対する人もまだいますが、無責任に繁殖させて不幸な猫を増やすくらいなら、安全に避妊、去勢手術を受けさせることは飼い主の責任だという考え方がかなり浸透しています。
我が家の愛猫も、生後5か月を過ぎたので避妊手術を受けました。
野良猫さんの保護活動で避妊手術の経験はありましたが、子猫の時から育ててきた愛猫の避妊手術は、ちょっと緊張しました。
術後のことなど、これから猫の避妊手術を受ける方の参考になれば嬉しいのです。
病院選び
動物病院が近くに沢山あると、どの病院を選べば良いのか迷います。
ワクチン接種でお世話になっている病院、野良猫さんの避妊、去勢手術でお世話になっている病院などから選ぶためには、いくつかのポイントを絞って選びました。
手術費用
大切な愛猫のためなので、お金をケチってヘタな病院を選びたくはないですが、富裕層でもないので、手術費用はまず確認しておきたいところです。
手術の費用は、術前の検査を含む場合と、手術だけでは大きな開きがあります。
いつもワクチン接種でお世話になっている動物病院では、避妊手術だけなら2万円、猫エイズや白血病などの血液検査も含める場合は3万8千円、さらにエリザベスカラーを作う場合はプラス2千円ということでした。
平均的には15,000円~20,000円くらいでしょう。
もう一つ、地域猫の活動でお世話になっている動物病院は手術費用1万5千円だけです。
この二つの病院のどちらかでお願いするつもりだったのですが、どちらも予約が混みあっていて、手術は3週間以上先になると言われました。
まだ5か月なので焦ることもないと思いつつ、地域猫で活動しているボランティアさんから教えてもらった2つの病院にも問い合わせてみました。
一番安い病院は検査なしの1万円とかなり低料金でした。
結局私が選択したのは、血液検査費用を含まず、術前に必要な検査で1万8千円という料金の病院にしました。
基本料金の中に一泊の入院費も入っていると言われたことと、手術方法や術後の管理についても、こちらが希望している方法だと説明を受けたので、一度受診してから手術の相談をすることになりました。
手術方法
猫の避妊手術の方法は、とても進化しているようで、最新の手術方法は1センチ未満の切開で、縫合も埋没法なので抜糸の必要のない方法が主流となっています。
ただ、獣医師によっては抜糸をする方法で手術することもあります。
私としては、怖い体験をした病院に記憶が残っているうちにまた連れて行かれるような恐怖を感じさせたくないという思いから、抜糸の必要がない埋没法を選びました。
電話で問い合わせた時に手術の方法まで説明してくれない病院も多いので、必ず一度は受診してしっかり説明を受けてから病院を選ぶことをおすすめします。
術後の管理
野良猫さんを捕獲して避妊、去勢手術を受けさせる場合は、洗濯ネットに入れた状態じゃないと引き受けてくれない病院もあります。
そもそも洗濯ネットに入れられるくらいなら、捕獲も簡単なんですけどね。
とにかく野良猫さんの場合は、慣れないケージの中で術後に安静にさせることが難しいので、元にいた場所にリリースしていました。
だから術後の管理をしたことがありません。
傷が化膿しないように、抗生物質の薬を飲ませる自信がなかったので、2週間効果が持続する抗生物質の注射をしてもらいました。
野良猫の避妊、去勢手術を受けてくれる病院の場合は、この方法を取り入れていることが多いので、術後に薬をきちんと飲ませることに不安がある人は、相談してみると良いでしょう。
入院日数
入院日数は、病院によってほんとにバラバラです。
午前中に病院に入り、午後に手術をして、その日の夜は一泊入院をして翌日に退院というパターンが一般的ですが、日帰り手術も増えています。
今回、我が家の愛猫の手術をした病院は、事前の説明では一泊入院と言われました。
ところが、いざ手術をする段階になって、傷の様子を見るために三泊は入院させた方が良いと言われました。
急にそんなこと言われても・・と私は困りました。
ものすごく甘えん坊で、冠婚葬祭の時にホテル併設の動物病院に預けた際、泣き続けて声が枯れて、ご飯も食べず、水も飲まずに弱ってしまったのが二泊三日です。
手術で怖い体験をした上に三泊四日も預けるなんて私が耐えられそうにありませんでした。
基本的に一泊と説明したのは何だったの?
急にこの病院に不信感が湧いてきましたが、院長の奥さんらしき人が「室内飼いなんだから一泊でいいでしょう」と助け船を出してくれて一泊に落ち着きました。
もしかして、追加入院費が欲しいからなのか。
利益優先に考えているなら連れて帰りたいと思ったのですが、この病院は地域猫ボランティアさんが協力的だと教えてくれた病院です。
ボランティア価格で受けられるのも、他で利益を出しているからなのかも。
そう考えると、複雑な気持ちになりました。
腕が悪いという悪評もなかったので、少しだけ不安も感じましたがお願いすることにしました。
退院後の傷の保護
男の子の去勢手術は縫合もしないそうなので、あまり傷のことは心配しなくても済みますが、女の子の場合は腹部切開して子宮と卵巣を摘出するので、傷の保護は重要です。
3日ほどでかなりつっくいてくるので、最短でも3日間は傷の保護をするために、エリザベスカラーをつける病院も多いです。
野良猫さんの場合は暴れまくるので、つけられないこともあるそうです。
私は動きにくいエリザベスカラーは嫌だったので術後服を着せることにしましたが、病院ではエリザベスカラーをつけられていました。
キャリーケースの中でエリザベスカラーを取りたくて暴れているのを見た時には、「こんなのつけて・・」と悪態をつきそうでした。
エリザベスカラーを使わないために術後服を病院に預けたのに、どうしてもカラーをつけたかったらしいです。
もちろん、家に帰ったらすぐに外してあげました。
経過観察
術後の状態を見るための再受診は、基本的には必要ないと説明されていました。
抜糸の必要もないし、投薬の必要もないからです。
もしも何か変わった様子が見受けられた場合は受診してください・・とのことです。
できる限り、病院に行く回数を少なくしたいと思っていたので、術後の通院が不要なのは助かります。
手術後の留守番
猫の避妊手術は、手術後に様子を見てあげることが何よりも気を使います。
何しろ言葉が話せるわけじゃないので、痛くないのか、薬の副作用などで気分が悪くないのかなど、細かく観察してあげる必要があります。
うちの愛猫はエリザベスウェアという獣医師が開発した術後服を着せて4日間傷を保護しました。
この術後服であればエリザベスカラーをつけない病院も増えているいそうです。
ところが、猫という動物は洋服を着ると身体を上手く動かせなくなるのです。
慣れると普通に動けるようになると思っていましたが、うちの子は脱がせるまでずっとぎこちない動きのままでした。
歩く時もなんだか勢いをつけないと真っすぐ歩けなくて、すぐにコロンと横になってしまいます。
前に歩こうとするとバックしてしまうこともあるので、走り回ることもなくほとんどゴロゴロと寝て過ごしていました。
トイレは何とか失敗なくできましたが、ご飯を食べる時も水を飲む時もラクではなさそうでした。
1週間から10日くらい着せている人もいるようですが、術後服に慣れる様子がなかったので、うちは4日で脱がせました。
その間、ほとんど離れずにそばにいてあげました。
トイレに間に合わないかも知れないし、もしも何かに驚いて高いところに登って落ちても怖いので、留守番もさせずにつきっきりの4日間でした。
エリザベスカラーの方が慣れれば動けるようになるという話も聞くので、どちらが良いのかはわかりません。
ただ、エリザベスカラーを選ぶのならクリアタイプが絶対におすすめです。
視界が遮られないので、ストレスも軽減できます。
エリザベスカラー 猫 ソフト 柔らかい 透明 フェザーカラー クリアソフト SS
病院がエリザベスカラーを使う場合は、クリアタイプじゃなければ自分で準備することを事前に伝えてください。
ムダにお金を使う必要はないと思います。
内視鏡手術が普及してきたので、術後服もカラーも使わずに、最短の日帰り手術もできる病院もあるそうなので、家でしっかり様子を見てあげられないのなら、低侵襲(腹腔内視鏡)で傷が小さく、負担の少ない手術を実施している病院を探してみると良いと思います。
それができない場合は、入院日数を少し長めの二泊か三泊にする方法も相談してみるといいと思います。
ただ、猫は自分の居場所以外で過ごすのはストレスになるので、術後の回復を考えると一日でも早く家で安心して安静に過ごせた方が猫のためという考え方もあるので、猫の性格も考えて最善の方法を選択してあげましょう。
まとめ
手術後の傷の保護のために、不自由な術後服を4日間着て頑張ったおかげで、傷後も2週間でほとんど見えなくなるほどきれいになりました。
術後服を着てもすぐに普通に動ける場合もあるし、エリザベスカラーをつけていてもぶつからずに歩ける子もいるそうなので、術後の経過は個体差があります。
ただ、人間よりも回復が早いとはいえ、お腹を切開した後なので、できる限り近くで様子を見てあげられる時間を増やせるように調整してあげると猫さんも安心できるのではないでしょうか。
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