猫の飼育は完全室内飼育が主流になりつつあります。
昭和の時代には家の中と外を自由に出入りするような猫も多かったのですが、屋外は猫にとって危険なことが山ほどあります。
ケガや事故、感染症のリスクも高いため、完全室内飼育が推奨されるようになって久しいと思います。
ところが昨今、動画サイトなどにアップされている猫動画を見ていると、ハーネスをつけて散歩する猫の様子を頻繁に見かけるようになりました。
かなり批判も多く寄せられているように思うのですが、一向に減る気配もなく、むしろ増えているように見えます。
今回は、賛否が分かれる猫の散歩問題とハーネスをつけることが猫にどのような影響を与えるのか調べてみました。
猫を散歩させることについて
完全室内飼育の猫を犬のように散歩させるのは、猫にとってリスクが大きいため獣医師の多くが反対します。
猫は瞬発力がありますから、ハーネスとリードでつないでいても急な動きによってケガや脱走のリスクがあるからです。
避妊や去勢を済ませていて、家の中を安心して過ごせる場所として生活している猫にとって外は恐怖でしかなく、強いストレスを感じさせてしまいます。
何のために、何の目的で室内飼育の猫を散歩させるのか・・そこに正解があるのかは大いに疑問です。
猫は自分の縄張りでは安心して過ごせますが、野良猫は自分の縄張りでも完全に安心することはありません。
せっかく安心して暮らせる場所があるのに、わざわざ緊張させて恐怖を感じさせるようなことをするのは批判の的になるのも仕方ない面があると思います。
ただし、長く外で暮らしていて、自宅の周りにいる野良猫を保護した場合は、自分のテリトリーを確認させるために家の周りを散歩させるのはさほど危険はないという獣医師の意見もありました。
しかし、保護されて家猫になるまで確かに外に出たがるのですが、家の中で快適に過ごせるようになると、縄張りへの執着も薄れてきます。
縄張りのことをわすれるまでの時間は猫の個体差によって違うそうですが、食べ物に困らず、寒さや熱さに耐え忍ぶことなく過ごせる場所だとわかれば外へ出たがらなくなります。
逆に中途半端に散歩させることで、いつまで経っても外の縄張りのことが気にかかり、脱走のリスクが常にあるので飼い主にとっては心配のタネが尽きないのではないでしょうか。
ハーネス・リードの必要性
ここまで読んでくださった方は、この筆者はハーネス・リードを装着することに反対していると思われたでしょう。
たしかにそれは間違いないのですが、そうも言ってられなくなりました。
その理由は度重なる大災害です。
東日本大震災のような甚大な大災害からも地震や豪雨災害が毎年のように起きています。
2024年は元旦に能登半島で大地震が起こり、その後9月にも豪雨災害です。
さらに2025年は日本海側で災害級の大雪が続き、復興復旧を妨げています。
そういう様子をニュースなどで見るたびに、我が家の猫たちを災害から守るためには何をしなければならないのかと考えます。
車で避難にするにしても、ペット可の避難所に行くにしても、ずっとキャリーケースに入れておくわけにはいきません。
車の中で過ごしていても、ドアの開け閉めのたびに脱走の危険が伴います。
そういう災害時のことを考えると、ハーネスとリードは必要だと思うようになりました。
災害から守るのは、避難後も続きます。
もしもせっかく助かったのに、脱走によって二度と会えないなんてことになれば、私は生きていけないほど後悔するでしょう。
なので、散歩する予定はまったくないですが、ハーネスとリードは準備して、家の中で装着の練習はしてみようと考えています。
猫とハーネスの相性
猫は犬と違ってハーネスやリードがとても苦手です。
違和感なく着けて歩ける子もいますが、大半の猫はハーネスを着けるとヨチヨチ歩きになったり、固まってしまい動かなくなったりします。
とくに首の後ろから背中のあたりをハーネスで覆ってしまうと、上手く歩けなくなるのです。
猫は家に何かが触れるだけでもビクビクっと皮を痙攣させるように反応します。
それほど敏感なので、ハーネスのようにピタッと装着するものがとても苦手。
しかも首の後ろから背中にかけては動かなくなる部位です。
母猫が子猫を運ぶときに首の後ろの噛むとおとなしくなるのと同じ状況になるわけです。
しかし猫は軟体動物なので、首輪にリードを付けただけではすり抜けてしまいそうで心配です。
安全のためには、猫のために作られたハーネスを使い、少しずつ慣らしていくしかないようです。
猫専用ハーネス
猫のために設計されたハーネスもかなり種類が増えています。
抜けにくい、嫌がらないなど選ぶポイントは色々ありますが、個性と個体差があるのでまずは慣らすための時間が必要だと覚悟しています。
今回は2つのタイプをご紹介します。
まずはTikTokやYouTubeでも大人気のお散歩猫さんが装着しているハーネスと同じもの。
しっかりとホールドされているので、抜けにくくて安全性も高そうですが、慣れるのに時間がかかりそうです。
次に首輪を嫌がるタイプやハーネスで固まってしまう猫のために開発されたもの。
こちらは他のハーネスでは嫌がってしまったり固まってしまった子でも嫌がらずにつけられたというレビューも多いです。
急な動きに対応できるのか心配になるのですが、災害時だけでもハーネスが使いたいという私のような猫飼いには合っている気がします。
まとめ
猫を外に出すことに関しては、私は反対派なのですが、災害時には仕方ないですよね。
災害時のために少しずつ準備をしていますが、ハーネスも必要だと感じているので、まずは猫に慣れてもらうためにも手ごろな価格のハーネスから試してみます。
興味のある方はぜひ猫用ハーネスをチェックしてみてくださいね。