自分の身体の中で嫌いなところやコンプレックスを感じるところは、どんな人でも1つくらいはあると思います。
身体的な悩みは、努力や工夫で解消できるならいいけど、どうにもならないことは悩んでも仕方ないと思うのです。
それがわかっていても悩んでしまうのが身長のことではないでしょうか。
身長のことで自分が悩んだからこそ、子供には同じ悩みを抱えさせたくないと考える親は多く、子供の身長を伸ばすために様々な努力をしている人も少なくないようです。
身長コンプレックスは継承される?
身長の悩みは大人になる前からコンプレックスになることが多く、女の子なら高身長が悩みのタネになることもあります。
男の子は思春期になると急激に身長が伸びることもあるので、小学生くらいまでは身長のことで悩むケースは女の子に比べて少ないようです。
子供はそれほど身長が伸びなくても焦ったりしないのに、小学校の高学年くらいに親は心配でたまらないという話はよく耳にします。
というのも、身長は遺伝の要素が大きくて、親の身長が低ければ、子供の身長が平均身長を超えるほど成長するのはまず無理だと考えている人が多いからです。
たしかに身長は遺伝の影響は大きいのは間違いありません。
ですが、絶対ではないのです。
身長を伸ばすために必要なことは、成長ホルモンの分泌量です。
どんなに高身長の両親から生まれた子供でも、成長ホルモンの分泌量が少なければ身長の伸びが少なくなります。
成長ホルモンの分泌に影響することをチェックしないと、どんなに親が焦っても身長を伸ばすために効果が期待できる対策は見つけられないのです。
成長ホルモンの分泌を促すこと
親の身長コンプレックスを子供に引き継がせたくないけれど、身長を伸ばすために何を始めたらよいのかわからない!という方は、3つの基本を頭に入れておきましょう。
睡眠
昔から「寝る子は育つ」と言われますが、睡眠時間が長ければ成長ホルモンが分泌しやすいのはホントのことです。
ただし、成長期が終わった年齢になってからどれだけ寝ても身長が伸びるわけじゃありません。身長の伸びが終わるのは、女子なら16歳くらい、男子なら18歳くらいです。
ぐんぐん伸びる時期はもっと早いので、成長が終わるまでの年齢の睡眠時間は成長を促す意味ではとても重要です。
でも、ただ長い時間寝ればそれで成長が促進されるわけじゃありません。
睡眠の質が重要なのです。
大人も同じですが、睡眠には深い睡眠と浅い睡眠があります。
深い睡眠がノンレム睡眠、浅い睡眠はレム睡眠です。
成長ホルモンがもっとも分泌されるのが、眠りに入ってから最初のノンレム睡眠の前後と言われています。
しかし眠る直前までスマホやテレビのゲームに夢中になっていると、眠りに入ってもなかなか正常なリズムの睡眠に入ることができなくて、成長ホルモンの分泌にも影響を及ぼしてしまうことがあるのです。
日本の子供は世界と比較して睡眠時間が短くて、夜型の親の生活に合わせてしまうことが問題になっています。
身長の悩みを感じさせたくないと考えているのなら、小さな年齢の頃から眠りの環境を整えてあげることが大切ではないでしょうか。
子供の睡眠時間は小学生までは9時間くらいが平均なのに、中学生になると勉強や部活など忙しくなるので、急に睡眠時間が短くなるようです。
ですが男の子ならもっとも身長が伸びる時期なのですから、睡眠時間が短くならないように気を付けてあげましょう。
食事
身長を伸ばすためには、骨を作る材料になるカルシウムを摂ることが大切だと思っている方が多いですよね。
たしかに骨にカルシウムというのは誰でも考えることです。
ですが、身長を伸ばすために必要な栄養素は、カルシウムよりもたんぱく質の方が重要なのです。
身長が伸び終わるまでの成長期の子供の骨には、骨端線という軟骨の細胞があります。
この軟骨細胞が骨になって伸びていくことで、身長が伸びるわけです。
軟骨細胞はコラーゲンなどアミノ酸を原料とした成分で作られますが、アミノ酸の材料になるのがたんぱく質です。
昔から身長を伸ばすために牛乳を大量に飲むと良いと言われてきました。
今のように栄養が豊富な時代ではなかったことには、たんぱく質など栄養素を豊富に含む牛乳は万能だったと思います。
そして、牛乳にはカルシウムが豊富なので、身長を伸ばす=牛乳と思い込んでいる人が今もまだいるわけです。
牛乳が悪いわけじゃないですが、身長を伸ばすために必要な栄養素として一番重要なのはたんぱく質というのをもっと意識した方が良いでしょう。
肉や魚、大豆や乳製品などたんぱく質をしっかり摂れるような食生活を考えてあげましょう。
運動
バスケットボールやバレーボールの選手は、身長が高い人が集まります。
そのせいなのか、バスケットボールやバレーボールをすると身長が伸びると思い込んでいる人がいます。
たしかにジャンプする動きが多いスポーツをすると筋肉が縦に伸びます。
その筋肉の伸びに骨の成長が刺激されることがあるので、縦の動きの多いスポーツをするのは身長を伸ばす助けになる可能性はあります。
ですが、バスケットボールやバレーボールをしても身長が伸びるという確証はありません。
それよりも運動によって骨を覆っている筋肉が刺激されて血液の流れを促進するので、骨に必要な栄養も行き届きやすいと考えられます。
運動することは身長を伸ばすために必要なことですが、高身長の選手が多いスポーツだから効果があるというわけじゃなく、筋肉のストレッチや関節の曲げ伸ばしによって軟骨細胞に適度な刺激を与えることが重要です。
同じ姿勢で何時間も座っているのは、適度な運動を続けられるように導いてあげましょう。
身長を伸ばすと言われる迷信
身長を伸ばすために、高いところにつかまってぶら下がるとか、身体をけん引して骨を伸ばすと効果があるとか、昔はホントに信じていた人もいます。
そんなのは迷信です。
たしかに身長は1日の間に2cm~4cmくらいは伸びたり縮んだりします。
とくに中年になるとその伸縮の差が大きい傾向があります。
その理由は軟骨のクッションが潰れているかどうかです。
関節にある軟骨には、ヒアルロン酸やコラーゲンなど水分を含むと膨らむ成分で作られています。
中年になると軟骨成分を作る機能が弱くなるので、軟骨のクッション性が弱くなるのです。
1日の間に重力で徐々に潰れていく軟骨は、寝ている間に元に戻るため、朝の方が夜よりも身長が高くなるわけです。
ぶら下がることで身長が伸びたという人がいるとすれば、潰れた軟骨がもとに戻ったことで骨と骨の間が本来の間隔になっただけのことです。
まとめ
身長コンプレックスを子供には感じさせたくないと思う気持ちはよくわかります。どんなコンプレックス、遺伝だと思うと責任を感じてしまいますから・・。
身長に関しては、成長ホルモン分泌不全によって伸びないこともあるので、子供の成長が心配な方は、医師に相談してみることも考えてみてはいかがでしょう。
成長ホルモンの分泌に問題がなければ、睡眠、食事、運動の3つの基本を意識してお子さんの成長をサポートしてあげましょう。
コメント