DHAといえば、健康のために良い成分としてすっかりおなじみですよね。
これは人間だけではなく、動物にも共通することらしく、犬や猫にもDHAが良いという報告がされています。
シニアになると犬や猫にも認知症が出ることもあるため、認知機能の向上のためにDHAを与えると良いそうです。
そしてもう一つは、特発性てんかんの発作を抑えることも期待できるという研究結果があるのですよね。
猫にもてんかん発作が起きることがあるのですが、犬よりも発生割合が少ないため、投薬治療のための薬の選択はなかなか難しいのです。
長期間、投薬と血液検査を繰り返し、発作の頻度が抑えられるかどうか見守る必要がありますから、飼い主さんとしては神経をすり減らします。
てんかん発作が起きている状態を見ていると、飼い主はショックですからね。
DHAは薬とは違うため、病気を治すことはできませんが、てんかんという病気と長く付き合わなければいけない生き物には良い作用があるのかも知れません。
今回はてんかん持ちの猫の飼い主として、DHAについてチェックしてみました。
DHAとてんかん
てんかん発作を起こして投薬治療を続けている愛猫のために、何か治療に役に立つことがないものかと色々調べているとDHAのことが目に入ってきました。
DHAとはドコサヘキサエン酸のこと。
脳の認知機能のために役に立つ成分として、以前から言われています。
青魚に多く含まれているDHAは、血液をサラサラにする成分EPAと一緒に摂取すると生活習慣病の予防にも役立つと言われていますよね。
私自身も、そろそろ生活習慣病が気になるお年頃になったため、DHAとEPAのサプリを毎日飲んでいます。
まさかDHAとてんかんに何か関連性があるなんて思ったこともなかったので、とても驚きました。
ですが、様々な機関でDHAがてんかん発作を抑える効果について研究しているようなのです。
DHAによるてんかん発作へのメカニズムは、DHAを食べ物として摂取すると脳内の女性ホルモンが増加するそうなのです。
すると女性ホルモンがてんかん発作を抑えるというものなんですね。
まだ研究段階ですから、確実性があるとは言えませんが、動物に与えても問題ないものです。
女性の更年期症状の緩和のために、オメガ3を摂ることも研究されていますし、女性ホルモンの分泌に何らかの作用があるという研究がすすめられているわけです。
DHAは魚に含まれるものなので、猫に青魚を与えることも良いのでしょうが、手作り食や加工されたキャットフードだけでは十分な量を摂取できるかどうかわかりません。
そこでDHAを与える方法を調べてみました。
フィッシュオイル
人間用のサプリメントにもDHAとEPAを含むものは数多くありますし、どこでも簡単に手に入ります。
ただ、人間用のサプリメントを与えるのは、目安量などを計算するのが難しいですよね。
単純に体重から計算すれば良いのか、ちょっと迷うところです。
ペット用のDHAサプリメントを検索すると、人間と同じようにソフトカプセルタイプが圧倒的に多いのですが、そのままお口にポンと入れて飲んでくれない子もいます。
とくにてんかん薬を毎日飲んでいるペットには、もうこれ以上はかわいそうだと思ってしまう飼い主さんもいるのではないでしょうか。
ソフトカプセルを少し温めて、穴をあけて中のオイルだけをフードやおやつに混ぜる方法を試しましたが、うまく絞り切れなかったり、手についてベタベタしたりして、なかなか手間がかかります。
そのままフードにふりかけられるものがあれば便利だと思って探してみると、フィッシュオイルというのを見つけました。
いくつか種類があるので、それぞれの特徴を見てみましょう。
フィッシュ4ドッグサーモンオイル
サーモンオイルは、DHAとEPAのオメガ3に加えて、抗酸化作用のアスタキサンチンも含む天然のフィッシュオイルです。
サーモンはもともと白身の魚ですが、アスタキサンチンによって身の色がピンクに変わるのですよね。
抗酸化成分を一緒に摂取できるのは嬉しいです。
ドライフードでもウェットフードでも、ほんの少量をかけるだけなので、わざわざ飲ませる手間がないのは飼い主にとってもありがたいことです。
それに、このサーモンオイルは嗜好性をアップさせるので、食が細くなっているペットにもおすすめです。
犬の場合は小型犬でティースプーン1杯から、猫の場合はその半分が1日の目安量です。
真空ボトルなので、酸化を防いで保存しやすいのもポイントです。
スプレッチサーモンオイル
こちらも犬用として販売されていますが、猫が摂取しても問題ない成分です。
常温保存できる容器で、ワンプッシュでフードにかけられます。
酸化しにくい容器なので、多頭飼育じゃなくて使い切るのに時間がかかりそう・・という方でも安心だと思います。
犬猫用活性オメガ3オイル
国産の天然マグロを原料として、無添加低温抽出法で作られたオメガ3オイルです。
ほんのりお魚の香りがするオイルで、常温でも保存可能です。
ほんの3滴(小型犬・猫)をフードにかけるだけなので、与え方もとても簡単です。
クリルオイルリキッド
クリルオイルは、健康食品として注目されています。
南極オキアミから抽出されるクリルオイルには、オメガ3系脂肪酸、EPA、DHA、アスタキサンチンなどが含まれます。
とくにリン脂質とフォスファチジルコリンという成分が含まれることが特徴です。
リン脂質によって体内の水分に吸収されやすく、またフォスファチジルコリンによって細胞のシグナル伝達をサポートします。
ペット用も人間用も、クリルオイルのサプリメントはソフトカプセルタイプがほとんどですので、与える手間を惜しまないのであればカプセルタイプの方がお得かも知れません。
毎日のことなので、スムーズに簡単に与えたいと思い、私はこちらのリキッドタイプを選びました。
カプセルタイプから試してみたい方は、お湯に溶けやすいカプセルもあるので、そちらも良いかもしれませんね。
てんかん発作について
てんかん持ちの愛猫と暮らしているので、まずは投薬治療を正しく続けながら、体に負担にならないもので発作を抑えるサポートができるものを色々試しています。
特発性てんかんは、原因が特定できませんから、ずっと薬を飲み続ける生活になります。
まずはDHAを食事と一緒に与えながら、発作が出ないことを祈りつつ見守りたいと思います。
まとめ
てんかん持ちのペットをお世話している飼い主にとってツラいのは、頑張ってお薬を飲んでいるのに100%発作を抑えるわけではないということ。
発作が頻繁に出たり、重い発作にならないように抑えるのが目標です。
しかし、発作を目の当たりにしてしまうと、それまで続けている治療が無駄のように感じられて、とても落ち込みます。
でも、だからと言って薬は勝手に止められないので、続けるしかありません。
せめて体にも心にも負担が少ない方法で、発作を抑えられるのであれば、色々とチャレンジしたいと思います。
その代わり、飼い主のお財布も軽くなりますが・・我が子たちの幸せのためには代えられませんよね。